機械設計のお仕事をされている方でしたら、マグトランに代表される非接触磁力歯車をご存じのことと思います。
主にクリーンルーム内のコンベヤの伝動に使用される非接触磁力歯車(マグネットカップリング)ですが、コンベヤ以外にも用途はいろいろで便利に使えますので、いくつかご紹介いたします。
取り扱いメーカ
非接触磁力歯車を販売されている主なメーカさんです。
- FECさん:商品名はマグトラン
- 三木プーリさん:商品名はマグネットカップリング
- ミスミさん:商品名は非接触磁力歯車
ミスミさんは恐らくFECさんのOEM販売ではないかと思いますので、実質は2択でしょうか。
インデクステーブルで使う
早速例をご紹介しますが、下図はインデクステーブルで使用する場合の例です。
割り出し数が6で、2個ずつのワークを同時に扱うユニットですが、ワークを回転させながら検査するために、外力でワークを回転可能としており、その伝動に非接触磁力歯車を使用しています。
伝動部分の拡大図を下に示します。
固定側の非接触磁力歯車には駆動用モータが直結されています。
この場合に駆動側の非接触磁力歯車は固定で、インデクステーブルが回転してテーブル上の非接触磁力歯車が固定側の非接触磁力歯車に近付くとテーブル側は位相のズレ分だけ回ってしまいますので、このように回って支障のある用途では使用できません。
調整式の伝動として使う
次の例も駆動力の伝動ですが、場面としてはコンベヤの幅可変で使用します。
図の中の青い樹脂チェーンの間でワークを搬送するコンベヤです。
下は伝動部の拡大図です。
図には表示しておりませんが、コンベヤ幅が数mmの範囲で可変となっているものの、非接触磁力歯車の伝動力に問題はありません。
実際には非接触磁力歯車の噛み合わせの中心がズレますと数%伝達力が低下しますので考慮が必要です。
最後に
2つの事例をご紹介しましたが、他にも使える場面がたくさんあるのではないでしょうか。
また違った使い方をした際にはレポートいたします。
ご覧くださいましてありがとうございました。